TOEIC850点達成に必要な教材とその勉強法

2019年4月2日

TOEIC850点は、企業の国際部門に求められる730点ラインを超え、TOEICスコアにおける最上級ランクであるAレベル(860点)に迫る高い点数です。達成のためにはTOEICに特化した教材を用いた対策と、当日の解答テクニックが必要です。

TOEIC850点の難易度

英検2級と比べて

TOEICの実施団体である国際ビジネスコミュニケーション協会のアンケート調査結果によると、英検2級保持者のTOEICスコアは445点~545点が最も多く、英検準1級保持者の場合645点~745点です。英検準1級合格とTOEIC850点達成のレベルが近いことがわかります。

大学受験英語と比べて

大学受験の英語力判定としてTOEICスコアを使用する大学の場合、例えば明治大学経済学部は680点、中央大学総合政策学部は550点が、英語試験免除に必要なスコアです。大学受験を経験していても、そこから更に語彙を強化する必要があります。

TOEIC700点と比べて

TOEIC700点のためには200問中約145問正解する必要があり、850点のためにはそれより30問多い、約175問の正解が必要です。過去のスコアを分析して得意分野と不得意分野を見つければ、効率のよい対策が可能です。

TOEIC850点を取るために必要な英語力

・語彙力

TOEIC850点に必要な語彙数は3500~4000語です。高校までに学習する2000語、大学受験で必要な3000語を上回る語彙数が必要です。一般的な語彙に加え、「inventory(在庫調べ)」「extension(内線番号)」など、オフィスでの会話に必要な語彙も求められます。

・文法力

TOEICのPart5とPart6で文法問題が出題されますが、中学文法を正確に理解していれば解ける問題がほとんどです。文章の長さや複雑さに関わらず文章の構造をつかめる、正確な基礎文法力が必要です。また、制限時間が短いため、即座に思い出せるレベルで理解しておく必要があります。

・読む速さ

TOEICは制限時間が短いので、英文を速く読み理解する必要があります。一分間に150ワード(150wpm)以上の速度で読めれば、リスニングでは次の設問の先読みができ、リーディングではPart7の読解問題も大半を解き切ることができます。

・正答率

TOEIC850点のためには、200問中175問以上を正解する必要があり、八割を超す正答率が必要です。

どれくらい時間をかければTOEIC850点取れる?

オックスフォード大学出版局が発行するTOEIC講師向け資料によると、TOEIC850点達成にかかる時間の目安は、TOEIC750点保持者なら275時間、650点保持者では500時間、550点保持者では725時間です。

現在の点数 達成に要する時間
750点保持者 275時間
650点保持者 500時間
550点保持者  725時間

そのため、例えば毎日三時間ずつ学習する550点保持者の場合、850点達成に8カ月ほどかかることになります。忘却曲線の関係から、週末にまとめて10時間ずつ勉強する場合には、この目安よりも長くかかるでしょう。

TOEIC850点を取るコツ

リスニングを解くコツ

メモを取ることが禁止されているため、必ず設問を先読みしておきます。問題用紙に設問の記載があるPart3とPart4では、次の問題の音声が始まるまでにその問題の設問を読んでおき、文頭の疑問詞を頭に入れます。

時間に余裕がある場合は、4つの選択肢それぞれの前半にだけでも目を通し、何についての選択肢があるかも同時に把握しておきます。

リーディングを解くコツ

Part5とPart6の空所補充問題は、一問30秒以内でできる限り早く解き終わり、Part7の長文読解問題に時間を残します。

Part5では、空所の前後だけを読んで解けるものが多いので、それだけで解けた場合はそれ以上読む必要はありません。選択肢についても全てに目を通し確認することなく、正解がわかり次第、次の設問へ進みます。

Part6では、前後関係がヒントになるため、空所の前後を読むだけでは解けません。空所の位置に関係なく最初から読み進めますが、空所が全て埋まればその後に残された英文を確認せず、次の設問へ進みます。

Part7では、解答に必要な情報が長文の隅々に分散しているため、注釈も含めて全て読みます。情報は設問と同じ順序では並んでいないため、設問を解きながら読み進めるとうまく答えが見つかりません。先に長文全てに軽く目を通して内容を頭に入れたうえで設問を読む方が、効率よく解くことができます。

TOEIC850点を取るための教材

語彙対策

TOEICの頻出語彙をカバーするTOEIC用単語集を用いて、「英語から日本語」の方向に限定して、品詞と共に単語の意味を覚えます。

<使用教材>

TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ

 

(基本語彙から総合的に復習する場合は、TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズと併用)

 

速度対策

TOEIC問題集を使用し、Part3とPart4のリスニングスクリプトと、Part7の長文を、速めの速度で音読します。速度の目安は100wpmです。

100wpmの速さで字幕が流れるニュースサイトを利用し速度を体感し、同じ速さでTOEICの問題文を声に出して繰り返し読みます。

音読しながら意味を頭の中で同時通訳する必要があるため、音読を開始する前に文章の意味を確認しておきましょう。

<参考URL>

Breaking News English   Speed Reading – 100wpm

 

文法対策

文法書を読み込むのではなく、実際にTOEICの模試形式問題集を解きながら、TOEICの出題傾向に合わせた文法学習を行いましょう。

・参考書ではなく問題集

TOEIC850点を目指すなら、参考書を読むインプット型学習ではなく、問題集を解くアウトプット型が学習で実践力を養います。

解答に詳しい解説が添えられている模擬試験形式の問題集を解きながら、インプットとアウトプットを同時に行いましょう。

<使用教材>

TOEIC(R) L&Rテスト 至高の模試600問

おすすめポイント

解答の解説に加えて学習の進め方や旧形式との違いなど、TOEICに関する情報が満載です。2016年5月からの新形式に対応した模擬試験3回分を解くことができます。難易度は本番よりもやや高めです。

 

新形式対応 TOEIC(R)テスト リアル予想問題集

おすすめポイント

本番よりもやや難易度が低く、TOEIC初受験者や、英検2級合格者、TOEIC600点以下の受験者に適しています。

 

まとめ:TOEIC850点達成に必要な教材とその勉強法

TOEIC850点を達成するためには、語彙の蓄積と速めの音読が必要です。
一日500個の単語の復習と、30分の速音読を日課として取り入れてみましょう。

この「一日一時間」の積み重ねが850点獲得につながります。