TOEICで700点とるためのおすすめ参考書と勉強法

2019年4月2日

TOEIC700点は、履歴書に書けるスコア600点を優に超え、企業が海外赴任要件として求める目安スコア730点に程近いため、就職や昇進に生かすために是非取得しておきたい資格の一つと言えます。本記事では、TOEIC700点達成に必要な英語力の目安と、必要な参考書とその学習法についてご紹介します。

TOEIC700点の難易度とレベル

TOEICの実施団体である国際ビジネスコミュニケーション協会が公表した2018年9月TOEICの平均スコアは、リスニング316.6点、リーディング254.9点、トータル571.5点です。毎回同様の点数で推移していますが、初受験者がやや平均点を下げているとみられます。スコア分布についてはリスニングでは295点~344点、リーディングでは245点~294点、トータル495点~594点の範囲内に多くの受験者が集中していますが、500点台後半と600点台前半の人数にほぼ差がないことから、初受験者を除く実質平均スコアは600点台前半であると言えるでしょう。

同じく国際ビジネスコミュニケーション協会のアンケート調査結果によると、英検2級保持者のTOEICスコアは445点~545点が最も多く、英検準1級保持者の場合645点~745点です。そのため、TOEIC700点に合格できる英語力はちょうど、「ギリギリ準1級合格」辺りであることがわかります。

TOEIC700点を取るメリットとは

履歴書に書けるTOEICスコアの目安は600点です。就職活動中の学生の間では、「外資系なら900点らしい」「TOEICスコアで足切りがあるらしい」などの憶測が飛び交いますが、実際には大学新卒採用の際に明確にTOEICスコアを求める企業は少なく、「入社後、早い段階で社内規定スコアを達成することが望ましい」というスタンスが一般的です。中途採用についても同様で、新入社員よりも平均100~150点プラスしたスコアが基準値となりますが、TOEICスコアは必須ではありません。

また、多くの企業がTOEICスコアを自己啓発や学習の伸びの可視化ツールと認識し、「目標スコア到達による成功体験もできる仕組みを実現(日本ガイシ株式会社)」「向上心の醸成を目指す(ハウス食品グループ本社株式会社)」「目的を達成するためのゴールを設定するツール(岡谷鋼機株式会社)」と、英語力だけにとどまらない指標として利用しています。

ただ、「研究開発職への応募資格はTOEIC600点以上(サンスターグループ)」「海外赴任要件をTOEIC 730点に引き上げ(双日株式会社)」など、一定のスコアが必須なケースもあります。つまり、TOEIC700点は単独で戦力になるほどのインパクトにはならないものの、業界や企業の規模により取得していることが望ましい資格であると言えます。

TOEIC700点取るのに必要な勉強時間

オックスフォード大学出版局が発行するTOEIC講師向け資料によると、TOEIC700点達成にかかる時間の目安は、450点保持者なら625時間、550点保持者なら350時間です。そのため、700点突破のためには、例えば毎日三時間ずつ学習する450点保持者なら7カ月、550点保持者なら4カ月弱ほどです。ただ、現在保持しているスコアが初受験スコアの場合、TOEICの問題傾向を把握してそれに特化した対策を行うことで、この目安時間よりも短い期間で700点達成が可能です。

TOEIC700点とるための参考書4選

TOEIC700点達成に必要なのは、語彙力、基礎文法、速読力です。そのため、問題集を解くときにも単語集で単語を覚えるときにも、自分を焦らせながら気ぜわしく進めましょう。

参考書として、TOEICに特化した単語集、文法解説付き問題集、模試形式問題集2冊を準備します。リスニングのための参考書は必要ありません。というのも、リス二ングに必要なのは基本的な語彙と文法であり、対策としてはリーディングの対策と大きく差がないからです。

キクタンTOEIC SCORE 800(単語集)

この単語集のターゲットスコアは800点ですが、「英語→日本語」で反射的に意味が浮かぶレベルに暗記すれば、700点をより確実に達成できます。付属CDの単語チャンツはキクタン名物です。リズムがよく適度な間が開いているので、英単語が聞こえた後に即座に日本語を思い浮かべる練習をしましょう。

基本的な単語に自信がない場合はキクタンTOEIC SCORE 600を使います。収録語彙は基本的な単語なので、全てを確実に覚えるため「英語→日本語」だけでなく「日本語→英語」も行います(CDは「英→日」学習に適したつくりになっているため、「日→英」学習のためには本を開く必要があります)。TOEICの回答に実際必要なのは「英→日」だけですが、読めるだけの漢字よりも読めて書ける漢字の方が記憶が確実なのと同様に、確実に覚えている単語は「英→日」「日→英」の双方向で反応できるものです。そのレベルを目指しましょう。

もし600と800のどちらにしようか迷う場合には、購入前に出版社ホームページで公開されている音声を確認してみるのもよいでしょう。収録単語を全て聞くことができます。

1駅1題 新TOEIC TEST文法特急(文法解説付き問題集)

2009年出版ですが、TOEIC出題形式の変更後も引き続きTOEIC文法書一番のおすすめです。TOEICのPart5とPart6に出題される文法問題の注意事項やパターンについての解説が詳しいことに加え、実際に問題を解き自分の弱点を把握しながら、学習できるのがポイントです。この一冊で、TOEIC頻出の「名詞の前だから形容詞とは限らない」「呼応表現のセットを探す」など、忘れがちな文法項目について確認できます。

TOEIC(R) L&Rテスト 至高の模試600問(模試形式問題集)

この問題集では、TOEIC新形式の各問の解き方が詳しく解説されているだけでなく、模試形式問題集をより有効に使うための「3回チャレンジ法」という解き方についても、詳しく知ることができます。「3回チャレンジ法」では、1つの模試を3回解くことを推奨しています。まず、時間を測って時間通りに解き、答え合わせはしません。次に、時計を見ずにじっくり解き、その後答え合わせと解説を読みながらの復習を行います。このとき、1度目のスコアと2度目のスコアを別々に計算する必要があるので、解答用紙は別のものを使いましょう。最後に、3回目として時間を測って同じ問題を解きます。1回目と2回目は続けて、3回目は3週間ほどあけてから解くのが基本ですが、受験日までの日数との兼ね合いで3回目を割愛することも可能です。

1回目のスコアはその時点で出せるスコア、2回目のスコアは実際に持っている英語力を反映したスコアです。制限時間さえなければ2回目のスコアを出せる可能性があることがわかれば、速読の練習も楽しくなるはずです。

公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 4(模試形式問題集)

2018年10月発売の最新の公式問題集です。模試形式の問題集は難易度にばらつきがあり、本にり若干傾向が異なることがあります。公式問題集は公式であるため傾向の偏りや難易度のばらつきは基本的にないため、まさに本番さながらに解くことができます。このときにも「3回チャレンジ法」で解き、十分に復習することが大切です。また、毎回Part1~7まで一気に続けて解くことで、集中力や体力を養うこともできます。

もし英語力に不安がある場合は、前述の至高の模試600問や公式問題集を解く前に、やや難易度の低いTOEICテスト予想模試を解いてみましょう。この問題集も模試形式ですが、特にリーディングセクションの語彙の難易度を抑えてあるため、文書を手早く読んで情報を収集することに慣れていない学習者にも解きやすいでしょう。解答一覧や点数換算表もついているため、3回チャレンジ法で解いたときにも使いやすいつくりです。

TOEIC700点を確実に取るおすすめ勉強法

TOEIC700点達成のために必要な語彙や文法をひとまとめにした便利なアプリを使えば、持ち運びも簡単で移動中や待ち時間を有効利用することができます。

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また、スタディサプリENGLISHでは動画を見ながら勉強するため、本を読むだけでは頭に入らなかった学習者にも続けやすいでしょう。TOEIC満点講師、関先生の動画によるインパクトが、英語の理解と定着を確実なものにします。

TOEIC700点達成のためには、TOEICに特化した語彙の蓄積と、TOEICの出題傾向をつかんだ文法対策が不可欠です。学習法の確率と時間の確保のためにも、まずは毎日一時間から学習を開始しましょう。